『ターミネーター』~マインドは少し薄いが、見た目は抜かりなし

原題:THE TERMINATOR

1984年 108分 アメリカ/監督,脚本:ジェームズ・キャメロン/音楽:ブラッド・フィーデル/出演:アーノルド・シュワルツェネッガー リンダ・ハミルトン マイケル・ビーン/大阪・北野劇場にて鑑賞/引用画像:前売半券(蒐集品)

□サラ・コナーはウエイトレスとして働く、どこにでもいる普通の娘だ。ある日、彼女と同姓同名の女性たちが立て続けに射殺されるという事件が発生。ディスコに隠れて警察の保護を待つサラだったが、目の前に見知らぬ男が現れ、彼女の額をレーザーサイト・ガンの赤いポイントでマークする。未来から殺人機がやって来たのだ。

■役者としては大根のシュワルツェネッガーの、その大根さゆえに見事なハマリ役となったSFモンスター映画。シュワ氏の表情の乏しさ、ぎこちなさが、人間(ひと)のフリしたロボット感にそのまま直結しております。そしてそれが熊のようなボディと合わさって、まるで重機みたいにふてぶてしい個性。これ、シュワじゃなければいったい誰がやるのというくらいの名演に逆転していて、まさに奇跡のめぐり合わせです。で、この未来から送られてきたフランケンシュタインの怪物は、見た目が意外とスタイリッシュでしてね。パンクな短髪とゴーグルタイプのサングラス、そんで、ダブルのライダースジャケットにアーミーパンツをコーディネートして、赤いバイクにまたがって追いかけてくる。いやあ、これはカッコいいなあ、モダンだなあ。

■脚本や展開はシンプルにしてありますが、こちらの目に映るものには工夫が凝らされていて、退屈のない映画です。特殊メイクやSFXというワードが幅を利かせた時代の作品なので、とくにその部分でのサービスが大きい。ターミネーターが自分の右前腕を切開したり、左の眼球を除去したりと、ホラーふうのグロテスクな場面がアピールをしております。ターミネーターの骨格が歩行する場面にしても、アニメーションの技法で作られているので動きがカクカクとして、この滑らかさの無さが異形感を醸し出してくれます。現実の世界にはない動きと合成映像の違和感によって、怪奇色が強まるということなんです。

■テーマ音楽もいい出来で、こちらの感情をガッシリとつかんできますね。冒頭、工場内の動作音を模したような機械の鼓動が聞こえ始めて、そこに悲壮感のあるメロディがからみ、曲のクライマックスでは巨大な脅威が、金属を叩く激しい打撃音をともなって襲いかかってくる。これ、滅亡の危機にさらされた人類と、オートメーションで生まれた鉄の種族との戦いを見事にあらわしていて、かなりの名曲です。よく聴くと母親の胎内音にそっくりなので、おそらくジョン・コナー誕生の暗示でもあるんでしょう。脚本はドラマの厚みが不足していますが、この音楽がそこをしっかりと補っているんです。

ロケとか特撮とか、画の面白み ★★★★

銃を含めたファッションセンス ★★★★

by
関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。