『マラヴィータ』~製作総指揮にスコセッシ ファンを失望させないデ・ニーロの使い方

原題:MALAVITA

2013年 111分 アメリカ,フランス/監督:リュック・ベッソン/製作総指揮:マーティン・スコセッシ/出演:ロバート・デ・ニーロ ミシェル・ファイファー/引用画像:チラシ(蒐集品)

□マフィアの親分だったフレッドは司法取引で同業者を売り、いまは証人保護プログラムが適用されている。命を狙われているので目立つことは避けなければならなかったが、家族全員気性が荒く、行く先々でトラブルとなっては転居を繰り返していた。このたびの新しい居住地でも地域や学校で騒ぎを起こし、さらには裏切った相手に居場所もバレて、とうとう殺し屋たちが乗り込んでくる。

■デ・ニーロが笑いを取ろうとすると、ときに力みすぎて押しつけがましさのある演技になったりもしますが、本作の笑いは主に脚本や音楽にまかせてあるので、そういった部分はうまく避けられています。製作総指揮がスコセッシということもあり、やはりデ・ニーロの得意不得意がしっかりと見極められている様子ですね。ここでのデ・ニーロはキャリアのイメージを再現しているだけで、力の抜けた良さがありました。なので、身構えずに鑑賞できるんです。終盤の間際で、ある映画について語り出す場面なんかも可笑しくてたまりません。セルフパロディの部分においては知性も感じるし、コメディとしての質は並よりも上だといえるでしょう。あと、助演に目を向ければ妻役のファイファーがすごく良いですね。マフィアの女将さんとしての度胸の据わった目つきで、デ・ニーロに負けない存在感を放っておりますよ。

■暴力描写によって笑わせる野蛮な映画なんですが、ドラマの真ん中に<家族の絆>をどすんと据えてあるので、それが好感を抱かせます。『ゴッドファーザー』の一作目と同じ方法で、うまい具合にバイオレンスの嫌悪感がかわされる感じですね。たとえば子供たちを学校に送り出す場面では、デ・ニーロ父さんが息子を抱きしめて頬にキスするんですが、息子の方もそれを嫌がらずに微笑んでいるわけです。この映画はそうやって全編を通して、家族が守り合っている姿をクローズアップしていきます。ちょっと懐かしさを感じるような家族愛の描写が嬉しいんですよね。

ヒゲのデ・ニーロの男前感  ★★★★★

ベッソンの器用さ      ★★★★

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