『カルネ』~40分間、お隣の女性客はハンカチを離せないようでした

原題:CARNE

1994年 40分 フランス/監督,脚本:ギャスパー・ノエ/大阪・テアトル梅田1にて鑑賞/引用画像:チラシ(蒐集品)

□肉屋を営む男が、一人で娘を育てている。娘は年頃になっても言葉が話せず、精神的にも幼いままで、父親に入浴の手伝いをしてもらうほどだった。そんな生活を送りながら、父親はあるジレンマを抱えていた。

■情報を何も入れないまま観た映画で、始まるとまず「感受性を傷つけるおそれのある場面があります ご注意下さい」という警告が出たんですよね。ふうん、と思うやいなや、馬の頭にいきなりズドンと穴を開けて、実際に屠殺をしている場面が映し出されたんです。ビューッと血が噴き出して、馬がバタンと死ぬ。これにはほんとに面食らってしまって、真っ白になりましたよ。アニエス・ベーが褒めたフランスのオシャレ映画だと思って来たのに、『カルネ』は連れ添いに逃げられた肉屋の親父が精神薄弱の娘にたいして近親相姦願望を抱く、濃いめのカルト映画でした。屠殺場面のショックのせいで40分間ずっと気持ちの悪さを引きずりながらの鑑賞ではあったんですが、こういった、心に何かを食い込ませる映画って、じつは貴重な存在なんですよね。映像とか構図もおもしろいし、出来の良いマニア向け作品だと思ます。ちなみに隣の席に座っていた若い女性は初めから終わりまでずっとハンカチで口をおさえ、眉間にしわを寄せておられました。

■でも、このチラシや日本版の予告編をみるかぎりでは、そういうカルト色を薄めて宣伝しております。惹句は<馬に恋した少女の話。>だし、予告編もロックをゆっくりと流しながら青春映画みたいなタッチで紹介していて、欺き過ぎの感じがね。フランス製で、しかも40分しかないカルト映画にお客を呼ぶためには、まあ、これも仕方がないんでしょう。最後に鑑賞したのはかなり前になるので、現在の自分の感覚でどういった感想になるのか確かめてみたい。粗い質感のまんまでHD化してほしい。

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